<社説>島袋氏3選 豊かなうるま市づくり期待


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 うるま市民は市政の継続を選択した。「市民協働のまちづくり」を掲げる島袋俊夫氏(64)=自民、公明推薦=が3選を果たした。

 島袋氏は県内ワーストだった完全失業率を大幅に改善するなど、市民生活の向上などで数々の実績を上げた。それを市民が高く評価した結果である。引き続き市勢発展にまい進してほしい。
 うるま市は具志川、石川、勝連、与那城の2市2町が合併して13年目に入った。地域間の経済格差の顕在化など、さまざまな課題がある。
 島袋氏は2期8年の経験で培った行政手腕を発揮し、一つ一つの課題を着実に解決することで、市民の負託に応えてほしい。
 市の完全失業率は、2010年国勢調査の18・17%から15年国勢調査では7・49%と11ポイント近い改善を遂げた。県内ワーストこそ脱却したものの、依然として11市では最も高い。市民1人当たりの所得は41市町村で38位である。
 完全失業率の改善、市民所得の向上を図らなければ、市民全体が豊かさを実感することは難しい。島袋氏には、豊富な経験を生かして着実な進展を期待したい。
 島袋氏が掲げた中城湾港新港地区への企業誘致などは、市民の働く場の増加につながる。市を挙げて粘り強く取り組み、目に見える成果を上げてほしい。
 旧2市2町の均衡ある発展も大きな課題である。具志川地域と石川地域は人口が増える一方で、勝連地域と与那城地域は人口減少が続いている。
 島袋氏が政策に挙げた勝連城跡周辺の観光拠点整備や、光ケーブルの整備による新規企業の誘致などをぜひ実現してもらいたい。
 島袋氏は子育て支援の拡充も市民に約束した。就学前の園児までを対象にした子ども医療費の助成は4月から小中学生までに拡大した。今後も継続する方針である。待機児童対策として18年度までに保育施設24カ所を整備し、児童受け入れ定員を800人に増やす考えだ。いずれも子どものいる家庭にとって大きな支えになる。
 公約は実現しなければ、意味がない。すぐに実現できずとも着実に前進させ、有権者の負託に応えることが市長の責任である。島袋氏は「掲げた政策を着実に実行、実現する」との姿勢を示している。その姿勢を貫き、重責を全うすることを望みたい。