米車両、猛スピード 周辺は住宅 事故頻発、けが人も キャンプ・コートニー近接軍道路


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米軍関係車両「Yナンバー」と男性の接触事故のあった道路=2日、うるま市天願

 【うるま】うるま市天願の県道75号沿い、米軍キャンプ・コートニー近くの軍道路で事故が続発している。2月下旬には自転車に乗車していたとみられる男性が、米軍関係者の車両「Yナンバー」と接触する事故が発生し、軽傷を負った。道路周辺は住宅地で、自転車や徒歩で利用する地域住民も多く、近隣には介護施設もある。地域住民からは「道路を封鎖してほしい」との声が上がっている。

 2月22日午後6時半ごろ、事故は発生した。現場近くに住む瀬良垣房子さんは「ドスン」と大きな鈍い音を聞き、外に駆け付けた。「おじいさんが自転車の脇に倒れ、右手から流血していた」。道路脇には「Yナンバー」車両が駐車していた。現場は見晴らしの良い直線道路で、県道75号につながる。

 道路からは、住宅地へとつながる小道が延びる。瀬良垣さんは「学生たちが、抜け道として小道をよく使う。Yナンバーの車が小道をものすごい速さで走るので怖い」と道路を封鎖するよう訴え続けてきた。

 沖縄防衛局によると、道路は1972年の施政権返還の際に米側へ提供された。米軍の提供施設内だが「米軍の使用を妨げない限り、地元住民が使用することが認められている」としている。道路沿いには、米軍大型車両や関係車両の保管施設があり、訓練時には昼夜関係なく出入りが激しくなるという。瀬良垣さんは「片側1車線の道路であんな大型車両が出入りしたら、危ないよ」と警告する。

 昨夏には米軍の迷彩柄車両が沿道に乗り上げたこともあったという。数百メートル先には、瀬良垣さんの自宅が道路より低地にあり「あわや大惨事。落ちてきたら、もう終わりだよ」と怒りと不安を抱く。

 瀬良垣さんは「ウオーキングする人や学生もよく通る。一直線の道路だから、スピードも出しやすい」と強調する。「いつかまた絶対事故が起こる」と、再び同様の事故が起こる前に、道路の封鎖や対策などを関係機関に呼び掛けている。