米軍、降下訓練また強行 うるま沖 地元要請を無視


この記事を書いた人 Avatar photo 大城 誠二
MC130特殊作戦機から津堅島訓練場水域に落下するパラシュート=16日午後5時すぎ、うるま市の津堅島訓練場水域

 【うるま】米軍は16日午後5時すぎ、うるま市の津堅島訓練場水域でパラシュート降下訓練を実施した。県や市は、同水域での降下訓練の中止を再三求めているが、米側は「津堅島は承認された訓練域だ」とし、1月12日と2月23日に続き、地元の要請を無視した形で訓練を実施した。SACO合意で、読谷補助飛行場でのパラシュート降下訓練が伊江島に移転したとみる県と、移転対象は「陸域での降下訓練」とみる国との認識のずれは依然解消されていない。

 午後5時すぎ、米軍MC130特殊作戦機から、少なくとも三つのパラシュートの塊が同水域に落下した。約30分間、同水域に滞在した後、落下した兵士らを乗せた船1隻がホワイトビーチに帰港した。

 沖縄防衛局は、市や周辺自治体、漁協に対して16、17の両日「水面を使用する演習」として、ファクスや文書で事前に通知。しかし、訓練内容や詳細な時刻については依然明かされていないままだ。同局は、米連邦航空局のサイト上にパラシュート降下訓練の予定が掲載されたとして、市に追加で通知したという。

 市は降下訓練の通知を受け、沖縄防衛局に対して訓練実施前に、口頭で中止要請をした。防衛局は「実際にパラシュート降下訓練かどうか分からないため、米側に申し入れできない」と話したという。

 同水域周辺にはモズクの漁場があり、漁業者は水域を通って漁場へ向かうこともある。島袋俊夫うるま市長は、続けられる訓練に「モズクも収穫期を迎える。漁業者の安全操業を守るためにも(同水域での)訓練をやらないでほしいと引き続き訴えていく」とした。