米軍嘉手納基地、沖縄に攻撃想定訓練 北朝鮮情勢対応か


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 【嘉手納】米軍嘉手納基地は15日までに、沖縄が攻撃された場合を想定した反撃訓練を12日に同基地で実施したと明らかにした。北朝鮮の核・ミサイル開発に伴い朝鮮半島情勢の緊張が高まったことを受けた訓練の可能性がある。在日米軍の動向を監視する市民団体リムピースの頼和太郎氏は「北朝鮮は沖縄の人を狙うというより、嘉手納基地を狙うことになる。県民は巻き込まれる構図だ」とし「軍が写真を出したのは兵員を鼓舞する意味も持つ」と分析した。

 同基地の第18航空団はホームページで所属機の写真や動画などを公開したほか、米空軍制服組トップのデビット・ゴールドフィン参謀総長が短文投稿サイト・ツイッターに、写真と共に「この素晴らしい戦闘空軍力を見よ。戦闘態勢だ」と投稿した。空軍によると、12日の訓練は予告無しの即応態勢を向上させるのが目的だった。

 12日には嘉手納基地のゲートで一時「訓練・デルタ」と基地内の警戒態勢を示す表示が5段階中、最高の値を示していた。同時間帯に攻撃された場合を想定した反撃訓練を実施したとみられる。

 同日、滑走路上ではF15戦闘機20機が胴体と両翼の下に2種の空対空ミサイルを数発ずつ装着し、同航空団のHH60救難ヘリ、KC135空中給油機、E3空中早期警戒管制機が並ぶ様子が確認されていた。

 頼氏は「嘉手納基地はミサイル発射の監視や、その後の大気を分析する偵察機の最前線だ。軍としても一定の準備をしているだろう」と語った。「トランプ政権の動きをどう捉えるかだが、今までと緊張感はさほど変わらない。一連の基地の動きは実戦ではなく、戦力の誇示だ」と分析した。