FA18、朝鮮半島向け空母で着艦事故 フィリピン沖


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 【ワシントン=座波幸代本紙特派員】米海軍は21日、朝鮮半島周辺海域に向けて航行中の米原子力空母カール・ビンソンで、FA18スーパーホーネット戦闘攻撃機の着艦の際に事故が起きたと発表した。パイロットは緊急脱出し、けがはないという。

 米メディアFOXニュース、軍事専門誌USNIニュースなどによると、事故当時、カール・ビンソンはフィリピン南部のセレベス海を航行しており、現地時間の午後6時55分ごろ、FA18は海上に墜落したとみられる。パイロットはヘリで救出された。事故原因は現在調査中。

 米当局は8日、挑発行動を続ける北朝鮮への圧力強化の一環で、カール・ビンソンを中心とする空母打撃群が朝鮮半島に向かっていると発表した。しかし、実際はこの空母打撃群は南下してオーストラリア海軍との合同演習に参加していたことが判明。その後、北に針路を変えたと認めた。

 米海軍は22日までに、「朝鮮半島近海で継続的なプレゼンス(存在)を示すため」、カール・ビンソンの派遣期間を30日間延長するとフェイスブック上で公表した。空母打撃群は、週明けにも朝鮮半島周辺に到着する見込み。

 ペンス米副大統領は22日、オーストラリアのターンブル首相との会談後の記者会見で、朝鮮半島近海へ向かわせている原子力空母カール・ビンソンが「数日中の月内」に日本海に到着すると言明した。また「主に中国の新たな関与により、朝鮮半島を平和的に非核化することは可能と信じている」と述べ、中国の北朝鮮への一層の働き掛けに期待した。