サッカー明治安田J3第4節は1日、FC琉球は沖縄市の県総合運動公園陸上競技場でガンバ大阪U―23と対戦し、3―0で勝ち、今シーズン初白星を手にした。今季1勝1分け2敗となった。
琉球は前半から富所悠や富樫佑太などを中心に果敢に攻めた。しかし相手ゴールキーパーの好守に阻まれ、得点を奪うことができなかった。先制は前半40分、新加入でJリーグ初出場となった名倉巧が、ゴール前でパスを受け、左足でシュートをたたき込んだ。
後半に入っても、琉球は攻撃の手を緩めることなく攻め続けた。4分にはゴール前のスペースへ送られたパスに富樫が反応し2点目。14分にはセットプレーから名倉がこの日2得点目のシュートをヘディングで決めた。琉球の次節は16日午後1時から富山県総合運動公園でカターレ富山と対戦する。
琉球 1勝1分け2敗(4)
3―0(1―0,2―0)
G大23 4敗(0)
▽得点者【琉】名倉2(2)富樫(2)
▽観衆 1559人
【評】ルーキーでJリーグ初出場の名倉巧と国学院久我山高校の先輩・富樫佑太のゴールでチーム待望の今季初勝利をつかんだ。相手ゴール前のスペースを使い攻め続けたFC琉球は前半40分には名倉が初ゴールを決めて先制。後半に入っても攻撃の手を緩めず、4分には富樫が2点目を決め、14分には名倉がダメ押しの3点目のシュートをたたき込んだ。富所悠も3アシストと全てのゴールに絡んだ。初スタメンのGK積田景介を中心に無失点で守り切った。(屋嘉部長将)
◇ホームで勝利大きい
金鍾成監督(FC琉球)の話 何よりもホームで1勝できたのは大きかった。開幕戦から3試合も勝てていなかったので開き直って積極的にいけた。積極性と冷静さのバランスがよく、名倉巧がその中で結果を出したのはチームにとって好材料になった。
◇攻撃の部分に課題
宮本恒靖監督(ガンバ大阪U―23)の話 立ち上がりが悪く、相手の勢いをまともに受けてしまった。後半に守備をしっかりした中で攻撃しようとした時、2点目を決められたのが勝負のポイントだった。全体的に攻撃の部分で足りないところが見えた試合だった。
◇ルーキー名倉2得点
開幕から勝利がなかったFC琉球に、ルーキーでJリーグ初出場の名倉巧が初白星をもたらした。
168センチと小柄だが、柔らかなタッチでボールをコントロールし、細かいパスで崩すことが得意という名倉。初のJの試合でも持ち味を発揮した。前半40分、ゴール前中央で富所悠からパスを受けると左足を振り抜く。それまで好守で琉球の好機を防いでいた相手ゴールキーパーも、ボールに触れることなく左隅に突き刺さる。「すごく緊張していた」というが「自分の得意な形でゴールを決められたのは良かった」と振り返る。
名倉のゴールでリズムに乗った琉球は、富所を中心にゴールに向かい続け、富樫佑太が2点目、名倉がダメ押しの3点目と続いた。名倉の活躍に金鍾成監督は「技術がしっかりしていてミスが少ない。これからチームにはまっていくともっと力が出せる」と期待を寄せる。高校の先輩の富樫は「(名倉が)デビュー戦で2得点決めてうれしい。チームにいい刺激を与えてくれる」と活躍を喜んだ。
憧れの富樫が琉球でプレーしていることから入団を決めた名倉。専修大学に進学し、学業に励みながらチームに参加する。「一試合一試合全力で戦いたい」と闘志を抱くルーキーがチームに新たな風を吹き込む。(屋嘉部長将)