米海兵隊のKC130墜落 16人死亡 沖縄県内でも同型機訓練


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 【ワシントン=座波幸代本紙特派員】米南部ミシシッピ州で10日午後4時ごろ、ノースカロライナ州チェリーポイント海兵隊基地から飛び立った空中給油機KC130が大豆畑に墜落し、乗っていた16人全員が死亡した。米メディアのホームページでは激しい炎や黒煙が立ち上る様子や機体の残骸など事故現場の写真を掲載している。

 海兵隊は11日早朝、「連邦航空局から同機がミシシッピ州上空で管制レーダーから消えたとの連絡を受けた。事故原因などは現在調査中」と発表した。

 KC130は在日米海兵隊も運用しており、2014年8月に普天間飛行場から米軍岩国基地(山口県)への同機の移駐が完了した。しかし、その後も普天間や米軍嘉手納基地に飛来し、周辺で訓練を行っている。

 米メディアによると、同機は弾薬を積んでおり、地元消防が火災を消火するために約9千ガロンの泡消薬化剤を使用したとしている。目撃者の話では機体はエンジンから煙を上げ、旋回しながら落ちていったという。地元当局者の話として、機体の破片が現場周辺8キロにわたって飛び散ったという情報もある。

 海兵隊は10日夕、公式ツイッターで「海兵隊のKC130が10日夕に墜落した」という投稿をした。

◆岩国移駐も実効性疑問/KC130

 米軍普天間飛行場に所属していたKC130空中給油機全15機は、沖縄の負担軽減を目的に2014年8月、山口県の米軍岩国基地に移駐した。しかし、その後も普天間飛行場と米軍嘉手納基地に度々飛来し、空中給油訓練などを実施しており、軽減の実効性に疑問の声も聞かれる。

 移駐完了後、1カ月の間には、宜野湾市や本紙の目視調査で、少なくとも9日間にわたり普天間飛行場に飛来した。離着陸を繰り返すタッチ・アンド・ゴー訓練を実施したほか、日米で合意した騒音規制措置(騒音防止協定)で制限される午後10時以降の飛来も確認された。

 16年5月には1機が給油ホースを垂らした状態で嘉手納基地に緊急着陸した。同12月に空中給油訓練中のトラブルで垂直離着陸輸送機MV22オスプレイが名護市安部の海岸で墜落した事故を巡っては、その約3週間後にオスプレイと同訓練を再開した。