東京の高校生、戦禍学ぶ 沖縄・民間戦争被害者の会が講話


この記事を書いた人 琉球新報社
正則高校の生徒らへ戦争体験を語る沖縄・民間戦争被害者の会の野里千恵子会長=7日、那覇市

 沖縄戦や南洋群島での戦闘で家族を失った人やけがを負った人らでつくる「沖縄・民間戦争被害者の会」は4日から7日まで、修学旅行で那覇市を訪れた私立正則(せいそく)高校(東京都)の2年生計約220人に戦争体験を語った。生徒らはメモを取るなどして講話に聞き入っていた。

 悲惨な体験を語ったのは、被害者の会の野里千恵子さん、上間幸仁さん、上江洲清さん、柳田虎一郎さん、阿良光男さん、祖堅秀子さん、上原和彦さん。東京都内で行われた戦争体験継承に向けた会合で被害者の会の運営委員や正則高校の教員らが交流したことがきっかけとなり、同校が計画していた沖縄への学習旅行の中で講話が行われることになった。

 被害者の会で会長を務める野里さんは講話で「14、15歳で根こそぎ戦争に動員され、最後まで戦いなさいと言われた」などと話し、県民全体が巻き込まれた状況を語った。

 平和のありがたさも指摘し「戦争ほど人を滅ぼすものはない。絶対に戦争をしてはいけない」と強調した。