歌三線の点字楽譜 墨字で 山内准教ら指導円滑化へ研究


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点字工工四を墨字に訳した工工四

 沖縄県立芸術大の山内昌也准教授と卒業生で視覚障がいのある仲松佳恋さんが、点字の工工四(歌三線の楽譜)を墨字(すみじ)(普通に書かれた字)に訳す研究に取り組んでいる。点字工工四は通常の工工四とレイアウトやページの構成が異なるため、健常者が工工四に慣れていない視覚障がい者に教えたり、視覚障がい者が健常者に教えたりするときに支障があった。点字工工四の構成そのままに墨字化した工工四を併用することで指導の円滑化が期待される。

 墨字化を進めているのは、沖縄盲学校の教諭だったという糸数菊さんが1981年に書いたとみられる野村流の点字工工四と関連する教本。2017年度はその一部である4冊を墨字化。18年度以降は残りの点字工工四の墨字化を進めるほか、点字と墨字による初心者向け教則本開発などに取り組む。今回、仲松さんが健常者から歌三線を教えてほしいと頼まれたことを機に点字工工四の墨字化を決めた。