普天間第二小 米軍窓落下から半年 児童避難527回に 平穏な学習環境遠く


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学校近くを飛行するCH53E。校庭では沖縄防衛局の監視員が学校の真上を飛行していないか目視で確認している=8日午前、宜野湾市新城の普天間第二小

 米軍普天間飛行場所属の大型輸送ヘリCH53Eから重さ約7・7キロの窓が普天間第二小学校(宜野湾市新城)の校庭に落下した事故から、13日で半年がたった。事故後、米軍は飛行ルートを「最大限可能な限り市内の学校上空は避ける」としたが、学校の上空をかすめるように飛ぶ状況は変わらず、平穏な学習環境とは程遠い状況が続く。校庭の使用を再開した今年2月以降は、米軍機が学校上空に接近するたび、沖縄防衛局の監視員の指示で児童が校舎へ避難しており、その回数は6月8日時点で527回に上った。

 校庭からの避難は3学期中に216回、春休み中に93回、今月8日までの1学期中に218回あった。学校や市教委はこれまで休日分は集計していなかったが、12日までに春休みも含めた休日も合わせて再集計した。4月以降は、休日の避難指示は出していない。

 佐喜真淳市長は12日、記者団に「普天間飛行場の一日も早い返還が教育環境の改善につながる。日米両政府には実現に取り組んでもらいたい」と語った。市教委は、児童の安全対策に関し「今後も学校と連携を密にして対応する」としている。

 防衛局は授業が度々中断される現状について「深刻に受け止めており、引き続き学校、市教育委員会、PTAの要望を踏まえ、適切に対応していく」とした。

 普天間第二小の窓落下事故から半年がたった今も米軍機は連日、学校上空付近を飛び交う。保護者からは、事故でショックを受けた子の精神面のケアや日常的な騒音にさらされる環境の改善を求める声が上がる。

 5月末以降、3年生の息子が「気分が悪くなった」と体調不良を訴え、校庭での体育の授業を休みがちになっているという母親(32)は「まだ(事故のショックを)引きずってるのかなと思う」と息子を案じる。

 男児は窓落下時に校庭で授業を受けていた。窓落下事故後、早退や欠席を繰り返すようになったが、3月末ごろからは落ち着いていたという。母親は「体育の授業中に避難する学校なんてあり得ない。私は基地反対とかではないけど、飛行ルートの外を飛ばないことくらいは守ってほしい」と訴えた。

 2年生の娘が通う母親(29)は「もう少し静かになってほしい。家でも話し声が聞こえないくらいうるさいし、これで先生の声が聞こえるのか」と語った。