沖縄県議会、異例の米軍呼び出し F15墜落、抗議決議手交へ


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 米軍嘉手納基地所属のF15戦闘機が那覇市の南方海上に墜落した事故を受け、県議会(新里米吉議長)は19日、F15戦闘機の訓練中止や外来機の飛来中止など5項目を求める抗議決議と意見書を全会一致で可決した。頻発する米軍機事故や事故原因が究明されないまま飛行が再開される事態を深刻視し、在沖米軍と在沖米国総領事館、沖縄防衛局、外務省沖縄事務所の関係者を県議会に呼び出し、抗議を直接申し入れる対応を取る。

F15墜落事故への抗議決議案を審議する沖縄県議会=19日午前、沖縄県議会

 抗議決議を提案した米軍基地関係特別委員会(仲宗根悟委員長)が関係機関に対し、22日に県議会に出向くよう調整している。

 抗議決議と意見書は、F15戦闘機の墜落が復帰後10件に上ったことや、16年9月にも外来機のAV8Bハリアー攻撃機が本島東方海上に墜落したことを指摘し「県民の不安が高まる中、米軍における航空機整備・保守点検の在り方などに疑問を持たざるを得ない」と抗議した。

 米軍と日米の両政府に対して「県民の懸念の払拭(ふっしょく)に向け、全力を挙げて取り組むべきだ」と申し入れている。

 また「本県議会は米軍の完全管理体制の在り方を厳しく指摘してきたが、改善がなされないまま訓練を繰り返す米軍の姿勢は断じて許されるものではない」と主張。11日の墜落から2日後に同型機が飛行を再開したことに「今回も原因の究明や十分な説明もなく、強い怒りを禁じ得ない」と批判し、直ちに訓練を中止するよう求めた。

 抗議決議の宛先は駐日米国大使、在日米軍司令部、在日米軍沖縄地域調整官、第18航空団司令官、在沖米国総領事。意見書は首相、外務相、防衛相、沖縄担当相。