公務員車いすランナー幸地さん 「頑張れる」伝えたい


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「障がいがあっても、やりたいことに夢中になれる」と語る幸地にいなさん=1日、名護市役所

 【名護】高校生から車いす陸上競技をはじめ、100メートルと200メートルで世界ランク9位の幸地にいなさん(23)が1日、名護市で稲嶺進市長から辞令交付を受けた。所属は子育て支援課。市民目線で働きつつ、「公務員車いすランナー」として活躍を目指す。幸地さんは「障がいがあっても大学へ行き、役場で仕事ができる姿を多くの人に見せたい」と意気込んでいる。

 幸地さんは脳性まひで下半身に障がいがあったが、運動が好きで、中学までミニバスケットや水泳に夢中だった。北部農林高校3年のころ、疾走感と限界を超える達成感がやみつきになり、車いす陸上競技の世界へ。信頼できる指導者や支援者と練習を重ね、名桜大学進学後も国内大会で上位入賞を収めてきた。
 就職先に役所を選んだのは障がいのある人の社会参加を手伝うためだ。「わたしだから分かる気持ちがある。自分に自信がなくて社会に踏み出せない人がいるなら、頑張ればできるんだよって引っ張っていきたい」
 そのためにも陸上競技で結果を出し続けたいと語る。目指すはパラリンピック出場だ。名護市の看板を背負って走る野望もある。仕事と競技の両立で忙しくなるが、「自分の姿を見て、こういう人生の選択もあることを多くの人に伝えたい」と目を輝かせた。