みゃーくふつ漫談が人気 長間さん×仏人セリックさん


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漫談に向け意気込む長間三夫さん(左)とセリック・ケナンさん=20日、宮古島市平良

 【宮古島】こんがり焼けた肌に、後ろへ流したパーマが渋いコテコテの宮古のおじさん、片や栗色のゆるふわカールが目を引くフランス人―。異色の組み合わせが繰り広げる「みゃーくふつ(宮古方言)漫談」が宮古島市民の間で人気を集めている。

2人は「宮古の方言には独特の味がある。それを出したい」と意気込んでいる。
 みゃーくふつ漫談をしているのは、市下地に住む長間三夫さん(59)と、仏出身で京都大大学院のセリック・ケナンさん(27)の2人で作る「Paris番屋~」。昨年6月から漫談を始め、約1年になる。
 長間さんは2013年の「鳴りとぅゆんみゃーく方言大会」で市長賞を受賞したみゃーくふつの“達人”。セリックさんは昨年4月に下地方言研究のため来島。長間さん指導の下で本格的に下地方言を学び始めたばかりだが、早くも昨年の「鳴りとぅゆん―」で市文化協会長賞を受けた。
 長間さんと、貴公子然としたセリックさんが巧みにみゃーくふつを繰り出すと、会場は一気に爆笑の渦に包まれる。「ケナンは宮古にいる並の50代よりも方言がしゃべれる」と驚く長間さん。セリックさんは「外国人顔でベタベタの宮古方言を使う“ずれ”が面白がられている」と笑う。
 漫談は宮古での実体験を基にした正当派。かつて宮古の農家ならどこでも飼っていた豚との触れ合いなど、どの人にとっても懐かしい話で、見る人を引きつける。セリックさんは「標準語で話しても全然面白くない。宮古島の昔の話は宮古の言葉で言うのが一番いい」と強調した。
 これまでの公演は20回は下らないといい、老人ホームや敬老会、地域のイベントに引っ張りだこ。長間さんは「さっきまで静かにしていたお年寄りたちが、自分たちが話すと、途端にニコーッとするのがうれしい」と笑顔。その上で「方言で面白いことをやらないと、関心を持ってもらうのは難しい」と力を込めた。
 漫談を通し、新たな単語の発見や微妙な発音の違いなど、新たな発見があるという2人。「いつがみまい、んまいずまぬふっつぅ、ばっすんよーんあっじぃかやー」(いつまでも、生まれ島の言葉を、忘れないように言っていこう)と呼び掛けた。
 2人が出演する沖縄宮古郷友連合会の第28回芸能まつりは23日午後5時半から、那覇市民会館大ホールで開かれる。入場料1500円。問い合わせは同連合会(電話)098(832)1210。