自分の言葉で伝えて 佐野さん、沖縄戦取材体験語る


社会
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 「高校生のための文化講演会」(一ツ橋文芸教育振興会、琉球新報社主催)が4日、那覇市の小禄高校で開かれた。ノンフィクション作家の佐野眞一さんが同校の生徒約1200人を前に「自分の言葉を見つけよう」と題して講演した。

佐野さんは、東日本大震災の被災地や沖縄戦の取材体験を紹介し「自分が感じたことをどのように表現するかを考えたときに、言葉を見つけることができる」と語った。
 沖縄に関する書籍を複数出版している佐野さんは「沖縄にはさまざまな矛盾がある。そのことを考えることで自分を鍛えることになる。自分の頭で考え、自分の言葉で伝えられるような人になってほしい」と語った。沖縄を考える際には県公文書館に行くことを勧め「沖縄に生まれたことに自信を持って生きてください」と激励した。
 講演後、一ツ橋文芸教育振興会が集英社文庫100冊と佐野さんの著書「沖縄戦いまだ終わらず」を同校に寄贈した。生徒を代表して嘉数滉大君(17)=3年=が「メディアの言葉をうのみにせず、自分の言葉を見つけたい」とあいさつした。5日は県立沖縄水産高校で講演する。

ノンフィクション作家の佐野眞一さんの話を聞く小禄高校の生徒=4日、那覇市の小禄高校
佐野 眞一さん