石崎・琉大准教授に金田一京助賞 琉球語変遷、明らかに


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金田一京助博士記念賞を受賞した琉球大学法文学部の石崎博志准教授=9日午後、琉球大学

 金田一京助博士記念会は8日、日本や周辺諸民族の言語などの研究を顕彰する第43回「金田一京助博士記念賞」が、琉球大学法文学部の石崎博志准教授(45)の「琉球語史研究」(好文出版)に決定したと発表した。

 「琉球語史研究」は1501年から現代までの琉球語の音声変化を、歴史資料を使って明らかにしている。ハングル、中国語、フランス語、英語の資料を徹底的に分析しているのがこの本の特徴だ。
 石崎氏は同研究の中で、琉球語が20世紀以前までゆっくりと変化してきたが、20世紀に入って急激な変化が起きたことを示した。その上で「世代交代とともに方言を話す世代が少なくなった」として、世代の推移で急激に変化しうる現象が琉球語にも起こったと考察した。
 石崎氏は受賞について「沖縄の研究がこのような形で評価されてうれしいが、受賞の重みを感じている。賞の名を汚さぬよう、今後も研究に取り組みたい」と語った。