阪神大震災、復興の象徴「はるかのひまわり」咲き誇る


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 【伊江】「美ら島おきなわ・花と緑の名所100選」に選定され、伊江村東江上にある約3千坪の敷地に60種類以上の花を咲かせている古堅農園・フラワーガーデン(古堅潔代表)では、咲き誇る2種類のヒマワリが訪れる観光客らの人気を集め、話題を呼んでいる。

 2種類のヒマワリの種は約9年前に入手した。一つは、20年前の阪神・淡路大震災時に話題になった「はるかのひまわり」。当時11歳だった加藤はるかさんががれきの下から遺体で発見された約半年後、同じ場所に大輪のヒマワリが咲いたことから復興のシンボルとして話題となったヒマワリだ。
 10粒の種を植えた当初から毎年花を咲かせ、年々増え続けている。4年前には東日本大震災の被災地にもこの種を贈り、日本各地から訪れる修学旅行生にも語り継いでいる。糸満市から訪れた男性(61)は「記憶が薄れつつあるが、思い出させてくれる」と話した。
 もう一つのヒマワリは、同園の古堅潔さん(63)、直子さん(62)夫妻が名付けた「ヘンシンひまわり」。ブラットレットの種を植えところ、当初は茶色っぽい色の花を咲かせた。翌年からワインレッドやオレンジと黄色の2色を彩るなど、珍しい色のヒマワリを咲かせている。
 どんな色になるかは咲いてみないと分からないから楽しみだという。そればかりか、このヒマワリは1本の茎から約100輪もの花を咲かせ、「珍しい、不思議だ」と来園者の目を楽しませている。
 同園は古堅さん夫妻が二人三脚で営み、11年目になる。紅芋の生産者だった潔さんが大病を患い、花に癒やされ元気を取り戻した経験から花畑をつくり、被災地の復興も願っている。「元気なうちはずっと花を咲かせたい」と話す。今季は5月末まで。問い合わせは(電話)090(1871)9231。(中川廣江通信員)

<開花>約9年前に入手した種から開花した「はるかのひまわり」=伊江の「古堅農園」
観光客に花を紹介する農園の古堅直子さん(右端)=伊江の「古堅農園」